本日のビーチリゾートです
ある日突然、郵便やメールなどで、身に覚えのない支払請求をされることが、ごく一般の消費者の日常で起こる状況になってきているということは、消費生活環境の変化の一つとして知っておく必要がある。
増大する消費者被害の背後には、顧客名簿の流通がある。
「自分だけは大丈夫」「変な業者と取引するから被害にあう。
自分は、絶対いかがわしい業者には近づかないから大丈夫だけにとどまらず、電話で勧誘から契約までさせてしまう電話勧誘販売、パソコンや携帯電話を利用したインターネットによる電子商取引など、販売方法の多様化がすすんでいることも大きな要因である。
それだけでなく、販売される商品やサービスの種類が増えてきており、消費者が本当に必要なものを自分で選択することが難しくなってきていることも大きな要因となっている。
さらには、一度被害にあった消費者を狙い撃ちにする悪質商法も増加している。
2000年以降は、商品やサービスを購入してもいない消費者に対して、債権回収業者を名乗り、契約の内容も明らかにすることなく支払請求をしてくるものが激増している。
「不当請求」「架空請求」といわれるものである。
多くは、その背後に暴力団関係者がいるともいわれだ」などとはいいきれなくなってきているのである。
こうした傾向を知るために最も参考になるのが、国民生活センターのデータである。
国民生活センターは、国民生活センター法に基づいて設置された特殊法人であったが、2003年9月からは、内閣府所管の独立行政法人となった。
国民生活センターでは、全国の都道日々発生している悪質商法の被害の実情を把握することはなかなか難しい。
マスコミなどで取り上げられることが多くなったので、一般の人々の目にも触れる機会は増えている。
マスコミなどで取り上げられるものは、氷山のごく一角にすぎない。
いわゆる悪質商法被害といわれる消費者被害はどのように推移しているのだろう消費者被害にあった人々のうちで、消費生活センターなどに相談する人の数はそれほど多くない。
総理府や国民生活センターによるアンケート調査によると、年度やアンケートの対象の絞り方にもよるが、一・5%から3%前後にすぎない。
都市部の主婦層を対象にした調査では、3%程度が消費生活センターなどの行政の窓口に相談するとのデータがある(注・国民生活センターが行なう国民生活動向調査などによる)。
比較的消費者意識の高い層を対象にしたデータであるといえる。
一方、若者を対象にして行なった調査では一・5%程度となっている。
消費者としての意識があまり高くない層を対象にした調査の結果と考えてもよいであろう。
ちなみに、私は大学で消費者法の講義を行なっているが、受講する学生のなかで消費生活センターを知っていると回答する割合は大変少ない。
一割前後いればよいほうというのが実情である。
一般化することはできないとしても、少なくとも選択科目である消費者法を受講しようという意欲のある学生でさえその程度であるということは、今どきの若者の消費者としての意識を推しはかる参考になるのではないかと思われる。
府県などにある消費生活センターなどの相談窓口で受け付けた相談データを収集し、毎年、そのデータを分析し公表している(注・分析したデータは、毎年「消費生活年報』として公表されている。
その前年度2001年度の65万5898件と2002年度の件数を比較しても約一8万件の増加であり、その急増ぶりは大変なものである。
こうした増加傾向は、1990年代以降著しい。
2003年度はさらに増加が著しい。
現在期と比較して、相談件数が4割前後増加している消費生活センターが少なくないという、大変な状況である。
増加している相談の多くは、ヤミ金の押し貸し、から貸し、情報提供サービス料金などの名目による「不当請求」など、嘗ては想像もできなかったような悪質なものである。
消費生活センターには、消費生活に関する様々な相談が寄せられる。
たとえば近年では、BSE(牛海綿状脳症)や食品の汚染、食品添加物の安全性など、様々な問題が発生して消費者の不安が増大しているため、こうした食の安全性に関する相談も寄せられている。
「安全・衛生」が食の安全性などに関する相談や、欠陥商品事故など製品の安全性に関する相談の割合を示したものである。
ように、消費生活相談に占める取引に関する相談の割合が圧倒的に多くなっているというのが、最近の大きな特徴である。
相談の全体の件数が急激な増加を続けている上に、取引に関する相談の割合が増えているということからも、消費者が取引関係で被害にあうことが、きわめて多くなってきていることがわかる。
しかも、被害にあった消費者のうち消費生活センターに相談にくる割合はわずか2%前後にすぎないことを考えると、被害はきわめて広い範囲に及んでいることがわかる。
被害にあったわけではないが、ニアミスがあったというものは、さらに数倍以上にのぼるのではないだろうか。
世間では、「高齢者が狙われている」とか「世間知らずの若者や主婦が被害にあう」などといわれている。
本当にそうなのだろうか。
ここ数年来、販売方法・手口別の分析で第一位になっている「電話勧誘販売」は、年々増加傾向が著しいものである。
意外なことに平均的な被害者像は、20歳代から40歳代の主とし年齢層の消費者は、被害にあっても消費生活センターに相談にこないことが通常である。
本人は相談にこないで、妻や母親が相談にくることが多い。
いわく「息子は忙しいから」「夫は忙しくて時間がないから」。
私の事務所には、会社の上司の紹介とか、上司に連れられて相談にくるサラリーマンもいる。
部下の困った状況を心配した上司があちらこちらと探した上で、消費生活センターに問い合わせをしてくるなどという話もよく聞く。
自発的には相談にこないことが多いのである。
悪質業者からすれば、「よいお客さん」ということになって、狙いやすい。
法律事務所まで相談にくるケースは、一件だけではなく次々と被害にあい、後述する「次々販売」「二次被害」で深刻な状況に陥っていることが多い。
こじれて訴訟にまで発展していることも多く、なぜもっと早期に相談にこないのかと歯がゆく思われるケースが少なくない。
電話勧誘販売被害についで多いのが、家庭訪問販売被害である。
悪質なセールスマンが消費者の自宅を訪問してくるという、典型的な訪問販売被害である。
場合には、どちらかといえば女性に被害が多く、平均被害年齢は男女ともに50歳代半ばである。
成人であれば各年齢層にわたって被害が出ているために、平均すれば50歳代になっていると見るのが妥当な判断だと思われる。
家庭訪問販売被害というと、高齢者が日中一人で留守番をしていて引っかかるのだろう、とつい思いがちだが、そういうことではないのがわかる。
ただ、自宅で被害にあうため、「家事従事者」が被害者の多数であるということになる。
昔からある悪質家庭訪問販売に「かたり商法」というものがある。
役所や公的機関、有名企業などを名乗って訪問してくることからかたり商法といわれる。
典型的なかたり商法としては、1960年代に多発した消火器の訪問販売が広く知られている。
1960年代から70年にかけてかたり商法の被害が多発したため、消費生活センターなどでは防止のための啓発に力を注いだ。
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